アップローズキャリア 尾川直子からのメッセージ

センテンスは短めに(2014.06.18)

 先日、模擬面接をしていましたら、どうにもメモを取りにくい話をする受講生がいました。私は模擬面接中、かなり多くのメモを取ります。要点だけを書いていくというよりも全文をメモするつもりで手を動かしています。しかし、その受講生の話はメモをしにくく、困りました。

 なぜかという理由はすぐに分かりました。その受講生の話は一つの文章の中に、主語と述語の組み合わせが二つ、三つとあるのです。英文でよく目にするような、やたらと長い文章になっているんですね。それでは、書くスピードがとても速いと言われる私でも整理しながらメモを取ることは難しいです。

 さらに、その受講生は「えー」や「あのう」といった言葉が多く、言いたいことがなかなか伝わってきませんでした。

 書く能力が稚拙なために、話す能力も低いという人は少なくありませんが、その受講生の文章力は高く、面接カードなどの文章は読みやすく書けているんですね。エピソードもきちんと準備されています。「書く」にあたっての論理性を備えているのに、「話す」ときになるとそこが崩壊するというのは一つには緊張があるのだと思います。

 模擬面接で「何を言いたいのか分からない」、「一つのセンテンスが長い」、「主語と述語、修飾語と被修飾語の呼応にミスが多い」と言われた人で、書くことも苦手だという人はまずは書く練習から、書くことは普通なのに話すとミスが出るという人は自分の話を録音することから始めてみましょう。

 ちなみに、面接とは関係ありませんが、やたらに長くて訳しにくい英文に出会ったときのワンポイントアドバイスです。そういう英文は「,」(コンマ)で長くなっていることが多いです。一つの文の中に「,」が二つあったら、その「,」と「,」の間をカッコ()でくくってみましょう。そうすると、その部分を挿入として考えることができますから、すっきり読めますよ。