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杏林大学医学部(2014)の英語の印象

今日(1/24)は杏林大学の入試でした。 英語の形式は昨年同様でしたが、今年はやや難化した印象があります。 というより、いささか文句をつけたくなるような設問がいくつかありました。どういう意図で出題しているのか聞いてみたい、2ch的に言えば「小一時間問い詰めたい」ような設問があったのです。(ここ数年、杏林大学の問題にそういう傾向があるのですが。) まずは、最初の文法問題I.の(イ)です。

As authorities can tell (  ),
選択肢:you / me / them / it

この空所に入るものですが、全体の内容が《一般論》であることから、「一般人称のyou」入れるのが最適ということになります。 ですが、実際にyouを入れてみた”As authorities can tell you”はどこか不自然に感じられたのでした。念のため検索してみると、インターネット空間上にそういう英文は皆無だったのです。 実は最近の杏林大学医学部の英語は、TEDにある英文の断片を少し改変して文法問題のネタとして用いていることが多く、今回も出典をそこに見つけることができました。そして改変前のオリジナルは以下の通りだったのです。

And as Dan Buettner can tell you, having a strong social network is so crucial to our health.
ダン・ビュートナーが言うように、強い社会ネットワークを持つことは健康に不可欠です。

固有名詞Dan Buettnerを一般名詞のauthoritiesにすることで、出題者は英文として不自然なものに作り替えてしまっていたのでした。大学入試の出題というのは、こういうことが起こりうるので怖いです。 それから長文読解で(イ)のsubsidiaryの同義語を選ぶ問題ですが、このsubsidiaryは「子会社」としてこれ以上ないほど確立した単語で、類義語辞典を調べても今回の選択肢にあるような語は見当たりません。子会社というのは名目的には別会社ですからbranch「支店」とは本来異なりますし、かといってextension (office)「出張所」のような「施設外施設」はもっと違ってきます。結局消去法でbranchを選ばざるを得ませんが、どうもしっくりきません。出題者の思い込みによる出題のように思われます。 そして一番「酷い」のが長文の(ス)の空所補充です。文脈から当てはめようにも考え方次第でどれでも入りうるので、結局出典の文章で直接確認するしかありません。(ス)に入る文言は、下の文章の末尾部分です。

Life is the ultimate teacher, but it is usually through experience and not scientific research that we discover its deepest lessons. A certain percentage of those who have survived near-death experiences speak of a common insight which afforded a glimpse of life’s basic lesson plan. We are all here for a single purpose: to grow in wisdom and to learn to love better. We can do this through losing as well as through winning, by having and by not having, by succeeding or by failing. All we need to do is to show up openhearted for class. So fulfilling life’s purpose may depend more on how we play than what we were dealt. Jack Kornfield, the Buddhist teacher, describes a spiritual truth he learned at a bingo game he attended with his elderly parents in Florida. There on the wall, in huge letters, was a sign reminding the players, You Have to Be Present to Win.    (Rachel Naomi Remen, Kitchen Table Wisdom)

「勝利を得るにはその場にいなければならない」というのがビンゴ・ゲームにおける真実、というわけです。このBe Presentというのが、前のパラグラフ末尾のshow up openhearted for class「何事も受け入れるつもりで(人生の)レッスンに参加する」という《経験》を意味する表現のVARIATIONになるのですが…他の選択肢にもそれなりの根拠を考えることができるだけに、この設問はかなり無理のあるものとなってしまいました。 解答速報を配布していたYMSもWindomも間違えていましたね、残念ながら。