『あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ』を読みました。
(2012.04.20)
厚生労働省の村木厚子さんの本です。この本は公務員志望者はもちろんですが、大学生や高校生、働く女性、そして男性も必読ではないかと思います。
村木さんが逮捕されたとき、夫が早い段階で支援者の方のブログを見つけてきましたので、私たちは冤罪だと確信していましたが、まさかフロッピーディスク改ざんという事態にまで発展していくとは思いもしませんでした。
そのブログで、村木さんの家族構成やお人柄などは分かっていましたが、村木さんがどういう仕事をしてきた方なのかは知らなかったので、この本はとても面白かったです。私が就職するときの大きなきっかけとなった「均等法」の策定にも村木さんは大きく関わっていて、「働く女性」の味方であり続けようとした姿勢に感銘を受けました。
村木さん自身も育児との両立に悩んできた一人なんですね。当時は育児休暇も整備されていなかったので、なんと産後6週で復帰し、「保育ママ」をメインに据えて、仕事との両立を図ります。移動のタクシー代なども含めると、年間300万円以上かかった年もあったそうですが、子どもが小学生になればそこまでかからないのだから、「割り切れ」と言っています。
一方で、村木さんはご主人がいらっしゃるので、片方の稼ぎが全て保育料に消えても大丈夫だったようですが、シングルマザーへの助成も考えていくべきだと、厚労省のキャリア官僚としての目線も忘れていません。厚労省は「イクメン」という言葉の発信源ですが、村木さんたち、厚労省の官僚には女性に「辞めるな」と言うだけではなく、女性を辞めさせないような指導を企業にしてほしいですし、中小企業や自営業で働く人たちの福利厚生を整えていただきたいです。
高校に「志望理由書」などの指導に伺うと、女子生徒から「専業主婦になりたいでーす」という声を聞くことがあります。でも、まずはきちんと働いて納税者となり、国の社会保障の支え手となることを考えてほしいです。
村木さんもお書きになっているように、どこかでやった仕事はどこかで役に立つし、どこかで次の仕事につながっていくと私も信じています。村木さんが先輩女性から言われた「なんとかなる」というのも理解できますし、書名の「あきらめない」のもそうです。 若い人たちには諦めてしまう前に、「なんとかなる」と信じて頑張ってほしいなと思います。