アップローズキャリア 尾川直子からのメッセージ

小論文入試のために読んでおきたい本 その1(2012.11.16)
 今回は3冊、ご紹介します。湯浅誠さんの『反貧困』、姜尚中さんの『悩む力』、小松秀樹さんの『医療の限界』です。

 小論文入試は社会問題についての知識があることを前提に出題されますが、高校生の知識の量にはかなりばらつきがあります。日頃、新聞やテレビのニュースなどで時事問題を知り、自分で調べてみる姿勢はもちろん大切ですが、入試によく出題される本を読むこともお勧めしたいです。

 この3冊は課題文として、多くの大学で採用されています。しかしながら、課題文の傾向を探る以上に、今の社会について考えさせてくれる本だと思います。『反貧困』では格差社会や「貧困が自己責任なのか」について、『悩む力』では「人は何のために働くのか」ということについて、『医療の限界』では医療現場の現状や医療と司法の対立についてなど、幅広い知識を持てるようになるでしょう。『悩む力』に関しては『続・悩む力』も出ていますが、入試対策としては『悩む力』から読んでください。

 それぞれ、岩波新書、集英社新書、新潮新書ですので、700円台で購入することができます。何年か前に「新書って何ですか。新しい本のことですか」と、新書と新刊の区別がついていない質問をなんと大学生からいただきましたが、「新書」に親しんでいなかった方もこの機会に読み始めてくださいね。