アップローズキャリア 尾川直子からのメッセージ

発声について その2(2012.12.03)
 模擬面接の際、高校生でも大学生でも声が小さい人がいます。緊張すれば、誰でも声が小さくなりがちですが、自分の人生を決めていく面接にあたっても小さい声のままだと、やはり損をしてしまいます。

 声が小さい人に「お腹から発声して」と言っても、お腹まで息を吸い込むことは意外に難しく、面接直前の時期にマスターするのは無理だと思います。私が見てきた限り、声の小さい人に共通して言えるのは「対象への意識の低さ」です。「対象」とは話す相手です。自分は誰に向かって発声しているのか、その意識が希薄だと、声を届けていこうという思いに繋がらないのです。その結果、「聞こえにくい」ということになってしまいます。

 面接では話す相手に向かって、しっかり声を届けようとしてください。そのための模擬面接や面接練習では相手の位置が実際よりも遠くにあると仮定してみるといいでしょう。話す相手が座っている位置の奥に壁か窓があるはずですが、そこに向かって声を出してみてください。お友達か誰かに壁や窓のところに立ってもらい、声が届いたかどうかをチェックしてもらうのもいいですね。

 大学へ入学するための試験であっても、就職試験であっても、声の大きさは大事です。同じ能力であったら、声が大きい方がやる気や元気を感じられるでしょう。本番で緊張して小さな声にならないためにも、練習のときにしっかり発声しておきましょう。