抽象的な文章にも慣れましょう。(2013.01.28)
今年のセンター試験の国語は小林秀雄の文章が出題されたからか、平均点の中間集計で5割を切ったそうです。高校の先生からも「困りました」という話を聞きましたし、受験生のお母様からも「国語で失敗した」とお聞きしました。
小論文入試の課題文で小林秀雄が出題されることはほとんどないと思いますが、小林秀雄の文章のような、一見、抽象的な文章になると、途端に読む気をなくす受験生は少なくありません。抽象的な文章の読解力を上げるには日頃の読書はもちろんですが、過去問対策が有効です。最初は時間がかかってもいいので、一文ずつゆっくり読んでみてください。あまり使われないような単語も多く出てくるはずですので、辞書で調べながら読むのもいいでしょう。とにかく誤読をせず、正確に意味をつかむ練習をします。抽象的な文章と思っていても、ゆっくり読み解いてしまえば具体的なものに感じられるはずです。
そのうち慣れてきたら、具体的にイメージしたり、自分や周囲のことに引き付けながら、課題文を読んでみましょう。分からない言葉が出ても、自分の知っている言葉に置き換えて考えてみます。
最終的には時間を計って課題文を読み、小論文を書いていく練習をしなくてはいけません。高校3年生になってからでは時間が足りないので、大学受験にあたって推薦やAO入試を考えている人、国公立大学や難関私立大学の文学部などを目指している人は高校1、2年生のうちから抽象的な文章でも怯まないような練習を始めておくことをお勧めします。