アップローズキャリア 尾川直子からのメッセージ

小説を読んでもいいですか。(2013.11.21)

 先日、小論文指導に伺った高校で、「本を読めとのことですが、小説でもいいですか」という質問をいただきました。

 その場でもお答えしましたが、改めて記事にしておきますね。答えとしては「趣味として余暇の時間に小説を読むのは結構ですが、小論文入試対策としてなら不十分です」ということです。

 小論文の課題文は論説文(評論文)であることがほとんどで、たまにエッセイや新聞のコラムなどから出題されます。論説文は論理でもって読者を説得する文章で、筆者の主張が必ず入っています。小論文入試ではこの「主張」を読み取ることが必要になりますので、論説文を読む練習をしてほしいです。そして、筆者の主張に対して、賛成するのか、反対なのか、皆さんの立場を決めていきましょう。

 小説はストーリーを動かしていくことで読者を感動させる文章ですから、論説文とはスタイルが全く異なります。ただ、センター試験にも出題されますから、小説を読んではいけないとは言いません。小説を読む中でボキャブラリーを増やしたり、漢字を覚えたり、時代背景を認識したりすることはいくらでも可能です。最近のミステリー作品は作家がしっかり取材したうえで書かれているものが多いので、社会問題を知るきっかけにもなるかと思います。勉強時間の合間などに楽しんでくださいね。