とある高校で小論文の事後指導をするために、その学年の全ての生徒さんの小論文に目を通しました。その高校は進学校ですし、さすがに字数が足りないとか、書き出しが不明確であるといった小論文は少なかったのですが、全体的に具体性に乏しい印象を受けました。
そこで「ここを具体的に」とアドバイスすると、「でも、そこを膨らませたら、字数をオーバーしてしまいますが、どうしたらいいですか」という質問を受けました。とてもいい質問だと思いましたし、私自身のアドバイスのあり方も考えさせられました。
指定字数をオーバーしないように、具体的な記述を盛り込んでいくためには無駄な箇所を削る必要があります。同じ表現を繰り返してしまったところ、課題文の文章をなぞってしまったところはありませんか。課題文の引用は字数を取られますので最低限にしましょう。そのためには要約の力もつけておかなくてはいけません。
600字の小論文の場合は第三段落で具体性を盛り込みたいところですが、第二段落が長すぎていませんか。第二段落で主張したいことをあれもこれもと入れてしまうと、論点が曖昧になってしまいます。第二段落をコンパクトにまとめることができれば、次の段落にスペースが生まれるはずです。
具体性が向上すると、小論文の評価は格段に高くなります。冗長だったり、回りくどい表現を避け、主張を支える根拠となることをしっかり述べていきましょう。