アップローズキャリア 尾川直子からのメッセージ

コンパクトシティについて(2015.03.26)

 公務員試験の教養論文ではコンパクトシティについても準備しておきたいところです。某大学でも「なぜコンパクトシティ構想が注目されるのか、その理由について詳細、かつ具体的に説明したうえで、将来の街づくりについて、どうあるべきか、あなたの考えを論じなさい」という課題に取り組んでもらいました。

 しかし、残念ながら、私の採点で70点を超えた受講生は全体の2%で、ボーダーラインに届かなかった受講生がほとんどを占めました。私はこの大学では論作文講義や時事講義を担当していなかったので、受講生がどの程度の知識を持って書き始めたのかどうかは分からないのですが、受講生間で知識量の幅がかなりあると感じました。

 ボーダーラインに届かなかった方はコンパクトシティについての基本的な知識を増やしていきましょう。その際、メリットとデメリット(問題点)をきちんと抑えておいてください。

 一方で、「コンパクトシティとは…」といった定義のようなものを長々と書いている受講生もいましたが、公務員試験では特に指定がない限り、定義や自明なことを説明する必要はありません。そういった定義や自明なことを前提に、皆さんが論理的に論文を展開していくスキルを見られています。

 また、具体例として青森市や富山市の例を挙げている受講生も少なくありませんでしたが、ほとんどの受講生がその紹介で終わっていました。これだと、差のつく答案になりません。こういった先進的な自治体とご自分が受験したい自治体を対比させて、受験した自治体の課題と対応策を明らかにすることができれば、評価の高い論文になるはずです。