お友達から高校1年生のお嬢さんにお勧めの化学のテキストを相談されましたので、夫(田中洋之)がお答えしたものをこちらにも載せておきます。
化学が得意か不得意かによっても違いますが、お勧めできる本とそのポイントは以下の通りです。
[1]辞書的に使用するものとして、『化学の新研究』(三省堂)
これはバイブルです。理系のトップ層はほぼ全員、この本を使っています。あまりにも分厚いし、字が小さいので、化学が苦手な人には勧めないけれど、「どうしてなんだろう…」という疑問にはたいてい答えてくれるので納得感があります。
[2]化学に苦手意識がある人向けには『照井式解法カード−理論化学』(学研)
こちらは文字通り《参考書》的なもので、受験も意識しつつ「どういうふうに化学現象や問題を考えていくか」を説明するものです。理論化学、無機化学、有機化学と3冊に分かれていますが、ベストは理論です。(なぜなら、この本の長所は《説明》にあり、説明が必要なのは理論化学だから。)無機と有機は決して悪いわけではないけれど、もっと入試実戦的なものをお勧めします。(無機と有機はDoシリーズが素晴らしい。)
[3]化学が超苦手なら『岡野の化学が初歩からしっかり身につく』シリーズ(技術評論社)
理論化学(1)、無機化学+有機化学(1)、理論化学(2)+有機化学(2)の3冊あります。ゆっくり丁寧に、理解のキモとなる部分を授業風に説明してくれます。学校の授業と併用するなら、[2]よりもこちらの方がお勧めかもしれません。
[4]問題演習を早めにして化学を得点源にしたいのなら『化学の新標準演習』(三省堂)
問題集は学校で使っているものがそれなりに詳しい解説つきならば特にほかの問題集に手を出す必要はありません。敢えて学校以外にもやるならば、この本です。
[5]試験対策(入試対策)で暗記系を強化したいときは『化学〈無機〉必出ポイント70の攻略で合格を決める』のシリーズ(文英堂)
高1、高2だと説明が足りないからちょっと辛く感じるかもしれないけど、受験生になると有り難いと感じる本です。〈無機〉が最強だけれど、〈理論〉〈有機〉もよくまとまっています。