公務員試験の論文では「民間企業等においては、高齢者雇用確保措置が義務付けられるなど、高年齢者を取り巻く就労環境は大きく変化している。このような措置が義務付けられた背景について考察するとともに、これからの高齢者雇用のあり方についてあなたの考えを述べなさい」、「あなたは○○県の現状をどのように考えていますか。その現状を踏まえ、○○県の未来をどのような姿にしたいですか。具体例を挙げて述べなさい」といった、複数の問いに答えないといけないものも出題されます。
先日、ある大学の公務員講座で、受講生からそういう出題に対して、どう答えていいのか分からないという相談を受けました。その受講生いわく、「大学の講義で書くレポートは結論から書くように指導されているので、結論の前に書かないといけないものがあると、構成が分からなくなるんですよね」ということでした。
確かに、そうした出題形式だと結論から書くのは難しいですし、結論だけ書くと問いに答えたことになりません。そこで、「構成メモ」作りをお勧めします。「構成メモ」を作ることで、書かなくてはいけないことを事前に整理しておきましょう。最初の問題であれば、「義務付けられた背景」、次の問題であれば「○○県の現状」を結論より前の段落で述べてください。
構成メモを作ることの利点は結論から先に作っておくことができることです。2問目であれば、「○○県の未来をどのようにしたいのか」を先に書いてみます。これは環境、観光、人口減少、子どもの貧困、教育、高齢化など、複数の面から挙げておきたいところです。それができたら、「現状はそうなっていないこと」を示していくといいのです。「逆算」するように構成してみましょう。そして、段落ごとの構成を整理したうえで、解答用紙に清書すると論理的な矛盾が出にくくなります。